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校門を出てすぐに
「まって!!桐山くん」
校門を出てすぐで呼び止められた
彼女の声
右手には
赤い風船
教室に飾ってあったやつかな?
どこから走ってきたのか?
息を切らし
ぜーぜー言っている
キャラに合わないシチュエーションに
少し笑える
「笑った?」
僕は彼女の怒ったような
喜んだような表情に戸惑い
目を逸らす
「どうして待っててくれないの?
剣道場の裏って書いたよね!!」
彼女は僕に詰め寄る
少し下から
見上げるように睨みつける
「教室の窓から外を見たら
帰ってるのが見えて
走ってきたんだよ!!
こんなに走ったの小学生ぶり」
マジか?
教室3階だぞ
この距離
走って間に合うなんて
足早いな
そう思うと
また笑えた
「あ!!また笑った
なんかムカつくんだけど!!」
彼女は頬を膨らませながらも
笑顔になる
しかし
何の用だろう?
あの日、偶然
あの場所で過ごしてから
その後からは
それまでと変わらない
日常になって
何も無かったのように
お互いに過ごしていたのに
何があるというのだろう?
僕は彼女の顔を不思議な表情で見ていた
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