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膨らまさない
もうすぐ三時間目が終わる
チャイムが鳴れば
遠くで騒がしい休み時間の賑わいの音が聞こえてきてしまう
そうしたら
きっと
そのころには
きっと
この非日常である
僕と彼女の
妙な空間は終わるのだろう
僕は時計を見ながら
針が進むのを遅らせたいと思っていた
だって
このまま終わってしまったら
もうこんな時間が来ることは無いだろうから
僕はどうしてこんな風に思っているんだろう
名前も知らない
覚えようとしなかった
彼女に・・・
心は確実に魅かれている
雪が綺麗だったから
僕の心も
いつもとは違くて
もしも
チャイムが鳴っても
そして
終わってしまっても
けっこう後悔なんてしなくて
今の
今だけの
特別な感情がそうさせているだけで
終わってしまえば
”何だったんだろう”
と夢から覚めた時のように
サッパリとしてしまうのかもしれない
だから
これ以上は
不思議な思いを膨らまさないように
そうしなければ
何か・・・いけない気がしていた
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