うちに○○がいます

友達が新しくペットを飼ったらしい。
その話を聞いた時、私の頭に浮かんだのは、純粋な興味だった。

クラスの人にも、何人か家にペットを飼っている人がいて、よく話を聞かされていた。

沢山の自慢話を聞かされるほどに、《ペット》というものに、自然と興味が湧くのも仕方ないだろう。

可愛らしい子猫の話や、子犬の話。
小鳥や、珍しいものでは海外の小動物など。

たくさんの情報が交錯する中、私もまた、ぼんやりとながら《理想のペット》というものを想像するようになっていた。

ものは試しと、ペットを飼いたいことを親に伝えると、父親から猛反対された。

「うちはアパートだからだめ。」

「そんな余裕、うちには無い。」

「昼間は誰も居ないから、世話はできない。」

父親が目尻を釣りあげ、声を荒らげた時に、うちにペットを飼うことは、絶対に無理なのだと悟った。

だけど、私も頑固なもので、いつまでも、諦めきれないでいた。

何か方法はないか、いつも、友達の自慢話の裏でそんなことを考えていた。

そんな時、ついに同じ境遇の友達が《ペット》を手に入れた。

だから、見に来ないか？と誘わられた時、私は二つ返事で了承するのもまた、仕方のないことなのだ。