123人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあ……」
「カタリナ様、これは」
「だから本当に冗談だと思ったんです。……父にはどこかの良家の三男でも見付けてくるようにと言われ、あ、すみません」
「三男って貴女ね……。まあ事情は察しますけど」
「お気を遣わせてしまって申し訳ありません。カタリナ様」
何とか落ち着いたところでクリスタ嬢が、
「カタリナ様、これは由々しき事態です。こともあろうにカタリナ様との婚約を解消、おまけに身に覚えのない断罪などと。アルフォート様方は一体何を考えておられるのやら」
「え、どちらへ」
「勿論、アルフォート様のところへですわ。リリアンヌ、貴女も来なさい。カタリナ様の無実を働きかけねばなりません」
「申し訳ありませんが、それはお止めになったほうがよろしいかと」
「どういうことです?」
そこで説明タイム。
アルフォート殿下やカイル様に直談判したのだけど、一言も聞いて貰えず頓挫したこと。
「それどころか、何故かカタリナ様の評価が下がってしまって、ここであたしが行くのは逆効果かと」
すると考え込むような様子をしたカタリナ嬢が、
「どういうことかしら? 詳しく話して下さる?」
そこでアルフォート殿下やカイル様との会話を出来るだけ再現してみせた。
「……という訳なんですが」
あたしが話し終わると、
「まあ」
軽く額に手をあて天を仰ぐカタリナ嬢。
「何なんですのそれは!!」
淑女の作法どこ行ったという勢いで怒りを現すクリスタ嬢。
(まあ、そうなりますわな)
最初のコメントを投稿しよう!