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「そんなこと、させられませんわっ!!」
急遽作戦会議場となった空き教室でカタリナ嬢が声を荒げた。
(やっぱりいい人だなあ)
リンツ皇子の作戦とはこうだった。
ここまで噂が広がると、今この時点であたし達が火消しに回っても大した効果は得られない。それならもっとも効果を狙える時を選ぶ。
そして選ばれたのは例の卒業パーティー。
そこでカタリナ嬢に苛められていたあたしが実は自作自演をしていて、カタリナ嬢が被害者だった、とすればよい。
(確かにそれならカタリナ様の印象はよくなりそうだけど)
替わりにシーソー効果で今度はあたしが悪役である。
(まあ、ほとんどその通りなんだけどね)
実際あることないことでっち上げ、カタリナ嬢を窮地に追い込んだのって、この娘なんだよね(白目)。
「貴女も何か言ったらどうですの?」
クリスタ嬢が促してくれた。
あたし――リリアンヌの身分は男爵令嬢であり、本来ならこちらから発言など許されない。
(この娘はその辺、完全にスルーしていたけどね)
あたしは軽く目を伏せてから、
「恐れながらクリスタ様。状況を鑑みるにその策が現在もっとも有効かと」
視界の端にリンツ皇子が青い瞳を見開いているのが入った。
(そりゃそうなるかあ。こないだまでリンツ皇子にもタメ口だったものね。この娘)
ただ、従僕の鉄壁のガードでほとんど会話らしい会話はなかったみたいだけど。
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