第一章

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「これは見事だ」 アルフォート殿下って、確かに第一王子だけあって態度も堂々としていて、顔立ちも完璧か、って位整って(あ、ちなみに髪は金色で瞳はブルーグレイね)なんだけど、こういう強引なのはいただけない。 「お褒めいただきありがとうございます。ご健勝なようで幸いですが、こちらではもう少し抑えていただけると」 暗に廊下の騒ぎは聞こえていますよ、という意味も込めて返すと、殿下を含め、侍女さん達まで、え、という表情になった。 (まあ、こないだまで殿下相手にほとんどタメ口きいてたものね) 本当はそのまま行った方がいいんだろうけど、記憶が戻った現在、そうするのは難しい(むしろ苦行)のでこう言ってみた。 すると、 「どうした? 誰に吹き込まれた? いや、分かっている。カタリナだな。あの女狐。かわいいリリーになんてことを」 (いや、違うし)
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