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その後、頑張って説得に励んだのだけど、思い込みなのか刷り込みなのか、カタリナ嬢に対する態度は少しも変えられなかった。
それどころか、
「あの女狐、リリーにおかしな讒言を吹き込むとは。これ以上は見過ごせぬ」
(あ、これ、もうムリや)
頭の中のネゴシエーターがさじ投げました。
(って諦めるなっ!!)
諦めたら試合終了ですよ、って昔の著名人(?)が言ってたハズ。
そこで――。
カイル・サンガル様へ直談判。
なんだけど、
「まさかアルフォートの言っていたことが事実になるとは」
カイル様は、明るい茶髪と翠の瞳を持つ美男子で、アルフォート殿下と並ぶと黄色い悲鳴が必ず聞こえてくるという。
(自分、よくこんな相手にタメ口きいてたよなぁ)
「何のことでしょうか? カイル様」
「ほら、その話し方。この間までの気安い口調はどこへ行ったのかな?」
(うわ、困った子を見るようなその眼差し、めちゃくちゃ破壊力っ!!)
語彙力どこいった? というようなことを考えると、
「全く。カタリナ嬢にも困ったものだ。リリーに嫌がらせをしたかと思えば、今度は余計な口出しか」
(ちゃうからっ!! 自分で考えたんやっ!!)
「あの、嫌がらせとは?」
「ああ。先日廊下で誰かに突き飛ばされたと聞いたよ」
「違います。あれは自分で転んで」
「あんな相手を庇わなくてもいいんだよ」
(違うがなー!!)
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