シンデレラにはなりたくない

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シンデレラにはなりたくない

ヒロインは王子サマとケッコンしました。めでたし、めでたし。 (ちょっと待ったーっ!!) 大抵のお伽噺ってそんな感じだけど、それでいいの? 相手は一国の王族なんだよ? 特にシンデレラ。 前半の描写を読むと、どうみても下級貴族の娘だよね? それが一国の王子サマのお嫁さん、ってムチャぶりだよねっ!! だって将来、国を継いだとき王様に何かあったら、王妃様も力貸さないといけないんだよっ!! まあ実際の政務は実家の公爵様とか侯爵様とかがやると思うけど。 たくさんの人(しかも上流階級)の思惑が絡むのに、下級貴族が入っていける訳ないじゃないっ!? ――ん? 何でそんなに力説するかって? 「リリアンヌ様、よくお似合いですよ」 等身大の鏡に写るのは、年の頃は十五、六くらいの小柄な娘。 ストロベリーブロンドの髪はサイドで纏められ、美人というよりはかわいらしい顔立ちを上手に引き立てていた。 「このドレスに使われているレースは東方から取り寄せた特注品で――」 (うう、聞きたくない) 現在、両手で余るほどの侍女さん達に世話を焼かれて、着せ替え人形してる少女、あたしです(白目)。
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