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「おっ、女じゃねぇか」
手術台に腰掛ける体格のごつい大男が目の色を輝かせながら声を発した。
「女ったってガキとババァじゃないか」
金髪にロン毛、派手なスーツを着た男が手術台にもたれ掛かりながら、全員を舐め回すように見つめる。
「俺は熟女も結構好きだけどな」
坊主頭で耳に大量のピアスを開けた男がニンマリと笑う。
「男もいるよ、チビだけど」
帽子を目深に被った男の子が、同じような年齢、同じような身長の博士を指さす。
「いきなり失礼な奴らだね!」
ソープは全員を順番に睨みつける。
「あれは……」
心愛の目線の先、手術台の奥にある壁には天井から床まで繋がった円柱のカプセル、その中に重厚な椅子が設置されていた。
「だいぶ危ない事が行われるようね」
ロリコンは心愛の肩を優しく叩きながら微笑んだ。
美流玖はそれを見ながら繋いでいた博士の手をギュッと握り締め、博士もそれに答えるかのように握り返した。
チーム同士の睨み合いになり、流れる一瞬の沈黙を破ったのは、全員の携帯音。
睨み合っていたいくつもの目は携帯画面へ。
【それではチーム対戦を行います。
先ずは対戦相手をそれぞれ選択していただき、マッチした者から対戦を行っていただきます。
尚、マッチ数が複数ある場合は選択の早かった順番で行います】
「気味悪い死神じゃなくて普通の人間相手なら楽勝だよ!
さぁ誰にしようかねー」
ソープが舌舐めずりしながら相手チームを吟味する。
「随分粋がった女だな」
金髪男は、クククと笑った。
【筋肉マン
No. 1
なまくら坊主
帝王小学生】
「どうしよう……
どれを選んだら……」
美流玖が悩んでいると、
「プレイヤー名で何となく相手は分かる。
だからあんたを選びそうにない相手を選びな」
心愛が小さな声で助言する。
「どういう事?」
「相手は四人、こっちは五人。
一人は対戦に参加しなくていいだろ」
心愛の言葉に、美流玖はまた悩んだ。
「私が対戦しないって事は、この子は対戦するって事に……」
小さく呟きながら、右横にいる博士を見た。
【それでは選択してください】
一斉に全員が画面をタッチし選択する。
数秒もかかる事なく画面が切り替わり、
【それでは第1戦を始めます。
ソープ VS No. 1】
対戦者が告げられ、
【本名当てクイズ】
対戦ゲームが発表された。
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