月曜日「きちゃった」

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月曜日「きちゃった」

日曜日は一週間の中で一番短い曜日だ。 朝、少しだけ朝寝坊をして、溜まっていた家事を片付け、その週の食料の買い出しをついでに昼食などとっていると、もう15時になっている。家に帰って、買ってきたものを冷蔵庫にしまい、軽くテレビを眺めていると17時のサイレンが鳴る。 急いで夕食の準備に取りかかる。 夕食をとり、風呂に入り、次の日の仕事の用意をすると21時を過ぎている。 自由な時間などほとんど残っていない。 本を読もうとか、遊びに出ようとか、撮りだめしていた映画をみてしまおうとか、そういったことは何もできていない。 眠気と疲れで頭がぼんやりする。 休みのが終わるのが名残惜しくて、日曜日にしがみつくように、うつらうつらと酒を口に運ぶ。 時々意識が飛びそうになるが、あくびを一つすれば少しすっきりする。 いつからだろうか。 酒が友人達と騒ぐ楽しみではなく、一人という現実からの逃避の手段となったのは。 日曜日を迎えるのが楽しみではなく、日曜日を見送るのが苦痛になったのは。 少なくとも、赤ん坊の頃は違っただろう。 当時は一週間のどの曜日も平等に輝いていた。 カツ。コツ。カツ。コツ。 と、時計が秒針を進める音が迫ってくる。 時刻は23時59分。 もうすぐ日曜日が終わる。 もうすぐ月曜日が始まる。 コン。 0時00分。 コン。 控えめなノックの音と、秒針の音が重なった。 そして、目の前には。 「・・・・・・来ちゃった」 月曜日がいた。 一週間の始まりである。
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