狂い始めた日常

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 芽吹(めぶき)の問いかけに私は急いで首を振る。そんなことあるはずがない、だって昨日までは何の変哲もない日常を過ごしてた。  ここ最近新しい人との出会いも無ければ、知人との揉め事が起きたわけでもない。こんな事をされる理由が見当たらない…… 「じゃあ、誰がこんな事を?」 「分からない、だって今までこんなこと無かった……」  それもそのはず、私の容姿はいたって十人並みで特別裕福な家庭で育ったわけでもない。誰かにこんな風にストーカーまがいの事をされるほど魅力ある女ではないと自分で分かってる。  それなのに、いったいなぜ……? 「警察に相談しよう!」  心配性の芽吹は私の手首を掴んで、今すぐにでも警察署に行きかねない勢いだ。だけど、この程度の事では警察だって対応のしようがないに違いない。 「落ち着いて、芽吹。今のところ実害はないのだし、犯人がすぐに飽きる可能性だってあるわ」 「実害があってからじゃ遅いだろう! 美雛(みひな)だけじゃの問題じゃない、ここには穂乃佳(ほのか)だっているんだぞ?」  珍しく大きな声を出した芽吹に驚いて、穂乃佳は隣の部屋へと逃げ込んでしまう。分かってる、もし私だけじゃなく穂乃佳にまで被害が及んでからでは遅いのだと。  だけど、この状態で私が出来る事は周りに注意することくらいしかなくて。
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