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同好会
「なにー!同好会を作る!?」
「現在形じゃなくて、もう過去形です。もう申請書は係の先生に提出してしましたから手続き自体は完了です。ありがとうございました、臣人先生。」
あれから20分位して綾那達がまた調理室に戻ってきた。
準備室にあるテーブルを臣人、綾那、美咲で囲んでいた。
バーンは窓際に立ち、壁に寄りかかりながら外を見ていた。
「臣人先生におかれましては、わが会の熱血顧問に就任であらせられます。(パチパチ)で、私、不肖劔地綾那が部長。本条院美咲が副部長を務めさせていただきます。」
綾那が拍手をすると、美咲も無表情で手だけ動かしている。
「せやかて、おまえら合唱部員やろ? そっち、やめてまうのかいな?」
「いいえ、“三月兎研究会”は基本的に週1回の活動です。合唱部は必ず金曜日がお休みですので、その日を活動日にしました」
「部のかけもちなんて、今の高校生の常識。」と、ぼそっと美咲が言った。
「何を研究するのか、いまいちわからへんで。さっきバーンから聞いたけど、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』でも研究するのかいな?」
「表向きは」
「表向き?」
「はい。」
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