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「裏があるんかい?」
「一応それなりに装ってないと。あとでクレームが来て“ご破算”なんていやですから」
「で?」
臣人が右腕をズズッとテーブルの奥に乗せてきて、話を迫った。
「えー。言わなきゃダメですか?」
苦笑いをして、ちょっと照れくさそうに綾那が笑った。
「当たり前や。まず何でも顧問のわいに言え!」
臣人は偉そうに、胸を張ってふんぞり返った。
「あの…ですね…」
綾那は臣人の目の前で視線を上下に何度も行き来させていた。
「“占い”…研究会なんです。タロットカードとかやりたいな…って」
それを聞いたとたん、臣人は口をあんぐりとさせてしまった。
バーンも彼女らの方は見ないものの、小刻みに肩が動いたようだった。
「私はただの付き添い」と美咲。
「祥香このあいだの件に触発されたかいな。なあ?」
臣人が窓際のバーンの方に向かって声をかけた。
「…………」
けれど、やはりバーンの方の反応はなかった。
ふうっと臣人は深いため息をついた。
「! 本条院はわいらのこと知って!?」
臣人は何食わぬ顔でいる美咲に驚いた。
祥香の事件の時は、彼女は確かにいなかった。
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