6人が本棚に入れています
本棚に追加
まるで彼女たちを叱っているようだ。
「じゃあ、やっていいんですね?」
にっこり笑って綾那がうれしそうに言った。
「やるな!いうても、やるんやろ? そんならいっそ目の前でやってもろうた方が少しは安心や・・・」
「はい、もちろんです」
「それからな、わいとバーンの言うことは絶対きけぇよ。たとえ、それがあんたらにとって意に添わないことでもな」
臣人は祥香の件を思い出しながら言った。
いくらバーンと自分がいるからと言って、生徒を常に危険な目に遭わすわけにはいかない。
「はいっ。わかりました。ありがとうございます」
拍手して喜んでいる二人の姿を尻目に、臣人は眉をひそめた。
「ホンマにわかってるかぁ?」
バーンは臣人の方に『わかってないんじゃないか?』という顔を向けた。
その視線を感じつつ、臣人は準備室の壁にかけられた丸く大きな時計を見た。
4時半を回っていた。
「今日はこれくらいにして、そろそろ帰りぃ」
「また来週ですね、臣人先生」
とても楽しそうに綾那が言った。
「来週もこの面子?」ちょっといやそうに美咲が言った。
「なんや不満か?」
「別に。」
最初のコメントを投稿しよう!