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「失礼します」
臣人が返事をして入口の方をみると、綾那と美咲が入ってきた。
「臣人先生」
「おー、劔地と本条院やないかw」
準備室から出て、調理室の黒板の前で話し始めた。
「テストはどやった?」
「聞かないでください」と、綾那がぷっとふくれた顔をした。
「愚問ね……」
美咲はちょっと自信ありげに言った。
綾那は美咲をちょっと睨んだ。
「そっ、それにしてもいいにおいですね」
綾那は急に話を切り返した。
「クッキーでも焼いたんですか?」
これ以上、美咲に話されると本末転倒してしまうと思ったのだ。
「いや、ミニケーキを焼いてみたところや。今度2年生でやる大豆製品を使った調理実習のための研究や。今バーン毒味させたんやけど、旨いんだかまずいんだかわからないねん。無言のまま食いよってよぉ」
「きっとおいしかったからですよ。臣人先生って本当に料理が上手ですよね。お嫁さんになる人って幸せかも!?私もそのケーキ食べたいな〜」
「あほ!今度の実習までおあずけや。つまらんやろが。そんなに食いたきゃ、来週旨く作るこっちゃ」
「残念だな」
にっこりと微笑みながら綾那が言うと、美咲が、
「似合ってない…」
「え、何が?」
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