貴方の秘密が知りたい

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「えっと、蒼くんは・・・。 あれ、いない!?」 モタモタしていると不良が起きてしまう可能性があるが、駐車場に放置するわけにもいかないため腕を引っ張り端に寄せた。  だが不良は重いため予想以上に時間がかかり、蒼の後を追おうとした時には完全に姿を見失っていた。 ―――中を勝手に見るのは、流石にマズいよね・・・。 莉子にとっての手がかりは二つ。 まず同じ学校に通っているため翌日生徒手帳を渡せばいい。 それが普通の考えだろう。 もう一つは生徒手帳の表に書かれている住所から届けに行くこと。  流石に少しそれはヤバいかも、と思ったが、もし生徒手帳を今日使う用事があれば困ってしまう、という強引な思考で届けに行くことにした。 「ここら辺・・・? あ!」 少し探検気分で、どんな家に住んでいるのかと考えていると蒼らしき姿を発見する。 「蒼くーん! これを落とし・・・」 手を大きく振りながら声をかけようと思ったが、徐々に声が小さくなっていく。 突然現れた謎の女性に驚いたのだ。 ―――え、誰!? 何故か慌てて隠れてしまう。 こっそり様子を窺った。 ―――普通に話してる・・・。 ―――え、女子が苦手じゃなかったの!? 蒼はその女性と楽しそうに話していた。 ―――相手は美人・・・。 ―――あんなに笑顔を見せて楽しそうにしている蒼くんを見るの、初めてかも。 ―――彼女さんかな? 女性は少し年上に見えた。 女性はべったりとくっつくように蒼と腕を絡めている。 ―――わぁ、何か見ているの気まずい・・・。 そうして二人を追うこと数分、二人は仲よさそうなままおそらく自分の家と思われる場所へ入っていた。 ―――え、家に入るの!? 慌てて住所を確認する。 確かにここは蒼の家だった。 ―――彼女さんなんだよね? ―――え、こんな時間に・・・!? 辺りは既に日が落ちている。 ―――こんな時間に男の家に躊躇いもなく入るって、やっぱり・・・! ―――もう、こうなったら! 莉子は悪いと思いつつも生徒手帳をゆっくりと開いた。 そこで真実を知ることになる。 「え、今のはお姉さんだったの!?」 彼女だと思ったのは姉でその姉は弟の蒼を溺愛していたのだ。 姉は超嫉妬深く動物の雌でも仲よくすることは許さない。 そのようなことが生徒手帳に【誓い】として書かれていた。 「全ッ然、王道なドラマの展開じゃなかったじゃん! 私、単なる脇役A!!」                              -END-
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