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その日から若返りは加速したように思えました 小さなナツキちゃんの初めての育児にお父さんとお母さんはたまにケンカをすることもあって そんな日はいろいろ気にかけて心配になりました 私はこの家族の未来を知っているのだから何も心配は要らないのに…
ナツキちゃんが初めて歩いた日も 初めての離乳食も その場面に出くわすことができて
喜んでいる自分に 少し笑ってしまいます
ある朝
ナツキちゃんは本当に“赤ちゃん”でした
それは産まれたての“赤ちゃん”でお父さんはおっかなびっくり ナツキちゃんを抱っこしていました あぁいよいよだ そう感じました ナツキちゃんともお別れです ユウジくんの時より 落ち着いた気分でした 心の準備ができていたからでしょうか?私もお父さんとお母さんの前から ナツキちゃんをじっと見つめました 私はナツキちゃんのお父さんとお母さんと同じ顔でナツキちゃんを見つめていたと思います ナツキちゃんの手がさまよいながら私の方に向かって空を掴みます はっとなって私もナツキちゃんの手を握ろうとしましたが それは叶いませんでした ただその手に私の手を重ねて
「バイバイ ナツキちゃん」と呟きました
自然と笑顔で自然と涙がこぼれました
2日後 家に誰もいませんでした
不安に思いつつも仕事に集中します
次の朝
お腹の大きな お母さんが家にいました あぁ 出産だったのか ナツキちゃんにお別れできてよかったなぁとお母さんを眺めて思いました
それからしばらくはお母さんと一緒の時間が増えました
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