2/4

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「あの この部屋 二重契約とかなってないですよね?」やっと絞り出したベストな質問 『はい? ともうしますと?』 やっぱりなんかいぶかしがられました 「いや なんか知らない人がきたっていうか…」なんとなく声が尻窄(しりつぼ)みになってしまいます そう言えば 周りが静かだと気づきます の声がしない 振り返ると確かにいます でもミュートみたいに音だけがなくなっているんです ちょっとパニクってしまいます 『もしもしもしもし どうかなさいましたか?』不動産屋さんの声に我にかえりました 「あ あの 勘違いみたいです ご ごめんなさい」といっていったん電話を切りました と そのとたん の会話が耳に入ってきます !! なにこれ?あっ!心霊的な?えっやだ! と更にパニックです 「あのぉ」もう一度声をかけてみますが 無反応です ん?これって逆に私が存在してない感じ?とか妙な考えにも至ったりします どうしていいかわからないまま おろおろしていると 家族の食事は終わり 各々行動を起こします 「ごちそうさま 私先にお風呂入るね」 と女の子がクローゼットの方に歩きます  クローゼットに手をかけた瞬間  女の子の姿が消えました ! 驚いていると 「オレも宿題してくるわ」と壁に向かいます 壁に手を着けたら ! やっぱり消えてしまいました 私は慌ててクローゼットを開けましたが そこには私の服があるだけで 女の子ももちろんお風呂もありません キッチンでは が食器棚の方を見てなにやら笑っています 「あなたこの番組すきよねぇ」とが話しかけています 覗き込みますが もちろんそこにはテレビなんかありません ぐぅ~ お腹がなりました そう言えば 私はまだ夕飯は食べていませんでした こんな時でもお腹は減るんだとか 思いましたが 自然の摂理に抗えず 恐る恐るキッチンに行き冷蔵庫を開けます も私が通っても何も言わないし 何もかわりません 2人で食器棚を見つめて お茶とお酒を飲んで笑っています 私は冷蔵庫から昼に買っておいた コンビニのを出して ダイニングでは居心地がわるいので リビングの小さな机において食べることにしました
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加