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開襟シャツの良さを少しはご理解いただけただろうか。
まだワイシャツおよび開襟シャツの美点を十分の一も挙げていないが、切りがないので残念ながら割愛するとしよう。
なぜそれほど開襟シャツが好きなのか? 幾度となく聞かれてきたが、逆にどうして好きにならずにいられないのか、僕にはわからない。
開襟シャツの素晴らしさを伝えようと言葉を尽くして語ってみたこともあるが、共感を示されるどころか誰もが口をつぐんで僕のもとを去って行った。悲しいことだ。きっと僕の言語能力が足りないせいで、開襟シャツの魅力をきちんと説明できていないからなのだろう。
しかし同意が得られずとも一向に構わない。僕の開襟シャツへの愛は開襟シャツだけが知ってくれていれば良いのだ。僕が溢れる愛の眼差しで開襟シャツを見つめれば、開襟シャツはその穢れなき純白の姿で微笑むようにそこに存在し、僕を見つめ返してくれる。これ以上必要なものなど何もない。
人間には興味がないのか? なぜか皆が僕にそう問う。
もちろん興味はある。人間がいなかったら開襟シャツは誰が着るというのか? 人体というものは開襟シャツの良さを引き出すのに欠かせないツールだ。わかりきったことである。
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