幸せハウス

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盛上がる俺と熟睡の彼女。 ーーこの状況で寝るって…… 久し振りの連休を目の前に、いちゃこらしようと盛り上がっていた俺はガックリと肩を落とした。 仕方がないので、眠ってしまった彼女に布団を掛ける。 可愛い寝顔に小さな寝息。 髪を撫でる。そのまま触りたくなってしまう衝動を抑え、彼女の部屋を後にした。 外の冷たい夜風が、火照った身体を優しく冷ましてくれる。上を見上げると満点の星空が広がっていた。 彼女に出会ったのは約3年前。その時は忙しい姉夫婦、両親を助けるように姪の保育園の送迎をしながら専門学校に通っていた彼女。俺の存在なんて認識されていなかった。 一昨年は、彼女の元カレとの修羅場に遭遇し、助けたことがきっかけで交際へと発展。 そして昨年。臨床実習と国家試験勉強を頑張る彼女。 この3年、姪はもちろんのこと家族や回りの人達に優しく、自分の夢のために真面目に頑張る彼女を間近で見てきた。その中で、結婚の二文字が頭をよぎったのは1度ではなかったはず。 この春、念願の国家資格を取得した彼女が就職して約9ヶ月。 慣れない仕事に職場の付き合い。この状況で結婚を迫るのは残酷な気がした。 仕事に慣れて余裕の出てきた俺とは違い、彼女の社会人生活は始まったばかり。これから新しい出会や経験が待っていると思うと……なかなかプロポーズには踏み切れないでいた。 鬱々と考えながら、暗い自宅の冷たいベッドに横になる。 目の前には闇が広がっていた。
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