ひとは混ざる

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ひとは混ざる

5時頃に目が覚めて、じっとベッドの中で燻っていた。 陽が昇るのが、早くなりました。あたたかい季節の訪れの気配に、嬉しい反面ちょっともの寂しい。わたし、世界が眠りから覚める前のあの時間、すきだったから。 起きてやりたいことはあるんだけれど、まだこの温かいまどろみの中で漂っていたい…。 そんな葛藤をしつつ、エブリスタを開いたら、少し前に書いた『化石になった花』が読まれている最中と表記されていた。 読んでくださった方、ありがとうございます…!泣 https://estar.jp/novels/25728839 妄コンに応募するのに書き上げた作品。 ちょうどこのとき、群馬の方へ小旅行に出ていたので、それを題材にしました。 すごくのどかで、落ち着いていて。 川沿いだったから、水の打たれる音なんかがよく響いてて。良いところだったなあ。 ありのままの自然の姿がありました。 我が家は路線沿いにあるので、常時何かしら生活の営みの音が絶えません。 それはそれで、好きだけれど。 …でも、心が疲弊してくると。 『生活の音』から離れたくなるんです。 わたしだけかな?そんなことないはず。 この作品のテーマとして描きたかったのは、『ひとは混ざり合って生きている』ということ。 そもそも、このひとが混ざるという言葉は、島本理生さんの言葉だったかと思います(島本理生さんのファーストラヴ、すごく扱っているテーマが繊細で、でもその着眼点がすごくて感動しました。映画も気になります)。 その言葉に、比較的感受性が強い(人からの影響を受けやすい)わたしはハッとしました。 わたしの中にあるものは、確かにわたしが気に入っているものばかり。けれどそれって、どこまでが向き合ってきたひとの影響を受けて作り上げられたものだろうか、と…。 目にしたものでないと、それ以上の絵が描けない。 そう教えてくれたのは、中学の美術の先生でした。最近、絵の勉強をするのに購入した、イラストの教本にもそんなことが書いてあったっけ。 そうやって考えると、見て聞いたもの以上のものを生み出すには、どうしてもまわりからその情報を得る必要があるってこと。 創作にも同じことが言えますよね、きっと。 でもそれは、人間という生き物を作る上でもそうであるということなのだと感じました。 短編で描きたかったので…それを全部詰め込むにはテーマが大きすぎたな、と反省しています。今さらですけど。 でもまあ、これはゆくゆく煮詰めて書いていきたいテーマのひとつです。 まだまだ掘り下げてみたいの。
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