どっちが大事?

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どっちが大事?

「ええそうよ。私が刺したの。」 真紀子は意外にもあっさりと罪を認めた。 「勇二は私の気持ちを知ってたくせに、要一とよりを戻せなんて言うから、ついカーッとなって……」 「は?お前の二股の相手って……」 「そうよ、勇二よ!」 「まてよ、初耳だぞ?」 放心する要一にブルーシートの中から勇二がそっとハンカチを差し出した。 「喧嘩売ってんのかよ!!」 要一は勇二の腕からハンカチを叩き落とした。 「そういうところが嫌なのよ! いつだって俺様で自分が一番なんだから! 勇二はいつだって私を優先してくれたわ」 「勘違いすんなよ! 勇二はお前を優先してたんじゃない! こいつは自分以外のやつなら誰にでも気を使うんだ。そういうやつなんだ!」  「だったら勝負よ。勇二が私とあんたのどちらを優先するのか!」 真紀子はブルーシートの勇二に飛び付き、胸のナイフを抜き取ると、それを自分の喉元に押しあてながら、ポケットから取り出した小型ナイフを要一に突きつけた。 「こ、こら、馬鹿なことはやめなさい」 「部外者は黙ってて!」 真紀子の剣幕に警部は後ずさる。 「ほら、止められるのは一本だけ。どっちを選ぶのよ? 勇二、はっきりして!」
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