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ジョセフ…ジョセフ…あった!
ポーラはジョセフの檻の前に来た。
「ジョセフさん!ボクだよ!ポーラ!」
ポーラは女の子だが、自分の事を私ではなくボクと、言っていた。
「ポーラ様!?なぜこんな夜遅く面会を…?」
ジョセフは驚いてポーラに聞いた。
「大声で言えることではない。もう少しこちらへ」
ポーラはジョセフをこちらに来させた。
「明日の早朝、城を出る」
と、ポーラは落ち着いて言った。
「そうですか…。城の生活に飽きましたか?」
ジョセフはポーラに聞いた。
「その通り。なぜわかった?」
「それは……あなた様の兄、『ビス』様も同様の理由で城を出ていかれたからです」
ジョセフは少し寂しそうな顔をした。
兄の名前を初めて聞いた。城を出たら探してみよう。
「そうか……。あ、何か持っていった方がいい物はあるか?」
ポーラはこれ以上兄のことは質問しなかった。
「『剣』と『呪文の書』、あと『回復薬』は持っていった方がいいかと」
ポーラは言われた物の全てを入れるのを忘れていた。
「ありがとう。そろそろ寝る。さよなら、ジョセフさん。どうか、お元気で」
ポーラはジョセフにお礼と別れを告げて部屋を出ようとした。ジョセフがこう言った。
「剣はポーラ様が所有されている中で、1番強い物を持って行った方がよろしいかと思われます。何しろ、最近は何故か魔物が強く、多いようなので。お気を付けて。ポーラ様もお元気で!」
と。ポーラは振り返って頷いた。その顔は希望で満たされていた。
────ポーラの部屋にて────
剣、呪文の書、回復薬……あれ?何個入れればいいんだろう?いいか、1つで。これでよし!
「ふわぁ〜」
ポーラはあくびをしてベッドに向かった。1時間も経たないうちにポーラは眠りについた。
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