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少しして彼の注文したコーヒーが席に運ばれて来た頃、
私は一つ息を整えてから本題に入った。
「今日は、この前のプロポーズの返事をしたくて連絡したのだけど、
その前にどうしても訊きたい事があるの。」
そう、今日のもう一つの目的はこれだ。
どうしても聞いておかなければならない質問があるのだ。
端から見れば、何という事もない事なのだろう。
しかし私たちにとっては、あるいはプロポーズの返事よりも重要な意味を持つ質問だった。
質問をして、彼の答えを聞くのが怖い。
縋るように彼の方を見ると、
優しい表情で私の次の言葉を待ってくれている。
私はきっと今、とても堅い顔をしているだろう。
そんな私を気遣ってくれているのが分かる。
そんな彼の優しさが、私は好きだ。
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