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僕は大学を卒業してからJRで働き始めた。運転手の助手から始めたが、電車おたくだったので仕事はとても楽しかった。
今日は朝の始発から夕方までの勤務だ。ここは都内なので朝はとても混む。人がギュウギュウにいるホームに電車を滑り込ませると、ドアを開ける。プシュー。左右にドアが開くが早いか人が雪崩れ込むように電車に乗る。決まった時間を確認してアナウンスを流す。
「ドアが閉まりますのでご注意ください」
僕は安全確認をしてドアを閉める。だが、ギリで降りた女の子のマフラーが挟まれていることに気が付かなかった。人がギュウギュウに乗った車両は口を閉じて走り始める。
ズズズ、ズズズズ、
ズズズ、ズズズズ、
女の子は引きずられて、ホームにいる人達を仰天させる。
あっ、ヤバい。そう思い電車を緊急停止させようとした。運転手さんに大声で声を掛ける。
「女の子が引きづられてます!」
「えっ!?」
運転手さんが急ブレーキをかけるが、そう直ぐには止まらない。女の子はホームから下に落ちてガンっと頭を打った。急いで電車から降りて女の子の身体を見る。頭からとめどなく血が流れていた。
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