留理の章-2

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留理の章-2

それから、私は純夏にとって 親友であり、セフレであった。 行為は私から一方的に、だったし それがなぜか良かった。 不思議と純夏には常に付き合っている彼氏がいた。 私にも彼がいたこともあったが、 当然お互いの相手は私たちの関係を知ることは なかったし、知らせる理由もなかった。 女同士はいろんな意味で都合がいい。 一緒に出かけてたり2人で旅行に行っても 仲の良い友達同士でそうしているようにしか 見えない。 だから、純夏を抱く場所に困ることはなかった。 私の部屋で、純夏の家で、旅行先で 何度も純夏を愛して、イカせた。 純夏が絶頂に達するのを見るのが 本当に好きな私は、きっと変態なのだと思う。 純夏の母に彼氏以上に好かれていた私は よく純夏の家にも遊びに行った。 大学を卒業する頃、私の親は離婚して それぞれ遠くに引っ越してしまったので、 純夏の家は私にとって、実家のようだった。 純夏がいなくても遊びに行っては 純夏の母と話したりもよくしていた。 ここ数年、私に付き合う相手はいなかった。 特定の相手を作る必要がなかったのかもしれない。 カメラマンの仕事は順調で、忙しく、 人と出会う機会は多いから、 一晩限りの相手に困ることはなかったし、 純夏もいて、バランスが取れた日々を 送っていたと言っても過言ではない。 純夏も付き合っている彼といい感じだった。 結婚を意識している相手のようだったし、 彼に愛されてキレイになっていく純夏を 見るのも愛するのも好きだった。 その彼に対して嫉妬の感情も当然湧かなかった。 そんな私に運命を変える出会いが 訪れることになるとは、 夢にも思わなかった…。
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