3人の章-2

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3人の章-2

声をかけられて、びくっとなる純夏。 「留理…どうして?」 「え?ああ、この前撮影でイスタンブールに 行ったからそのお土産持ってきたの。それより 純夏こそどうしたの?今日、仕事だよね?」 いつもの留理だ…。 やっぱり私の思い過ごしかな…? 「ちょっと具合が悪くて早退してきた」 「えっ?!大丈夫??」 驚いた留理に支えられるようにして家に入る。 「純夏、どうしたの??まあ、留理ちゃん」 「早退してきたみたいです。部屋に連れて 行きますね」 「助かるわ、留理ちゃん」 「ごめん、留理…」 純夏を支えながら2階の部屋へ向かう。 顔色が真っ青な純夏は留理の腕の中で ぐったりしている。 熱はないみたいだけど…大丈夫かな? 「今日は何もしないからゆっくり休みな」 「それより留理に聞きたいことがあるの…」 「ん?今日聞かなきゃダメなこと?」 「うん…聞いておきたい」 留理は純夏と一緒に部屋に入って 純夏をベッドに寝かせた。 柔らかい髪をゆっくり撫でながら 純夏の顔を見た。 「それで…私に聞きたいことって?」 「あのね、留理…」 「うん…」 「イスタンブールの撮影の時だけど…」 純夏がその先を言おうとした時、 下から母の声がした。 「純夏、拓磨くんが来たわよ」 「えっ…」 思わず声が出たのは留理の方だった。 「留理…」 拓磨に会ったこと…ないはずよね? なのに、どうしてそんな顔してるの?
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