14人が本棚に入れています
本棚に追加
純夏の章-8
結局、閉店ギリギリまでお客がひっきりなしで
残業になってしまった。
「あ〜疲れたあ…」
思わず声が出てしまう。
「純夏、この後ご飯行かない?近藤さんと
西野さんも来るって」
「うーん…今日はやめとく。ごめん、また誘って」
「了解。お疲れ〜」
ヒラヒラと手を振る萌子を残して店を出る。
さすがに今日は疲れた…。
家に戻ってゆっくりお風呂に入りたい。
母に「まっすぐ帰る〜」とLINEして、
拓磨からLINEが入っているのに気がついた。
ん…?週末のドライブのことかな??
『ごめん、純夏、土曜日仕事になった!』
ええ〜…すっごく楽しみにしてたのに。
純夏は口を尖らせたが、
『了解。残念だけど仕方ないね』とLINEを返した。
『撮影に同行しなきゃならなくなってさ…
今度埋め合わせさせて』
『了解。仕事頑張ってね』
拓磨から送られてきた、頑張りますのスタンプを
見ながら、純夏はふと思った。
珍しいな…デスクワーク中心の仕事が主な
拓磨が撮影同行だなんて。
撮影…かあ…。ホントに留理と仕事してたりして。
そうだったら、ものすごい偶然だな。
…この時の純夏は、呑気にそんなことを考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!