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三日目の朝、図書室でたくさんの絵本を侍女に読み聞かせました。
遠い東洋の国のおとぎ話や、空飛ぶ馬の話。
感情豊かに読み聞かせるのがシャーロットは得意でした。
教会に集まる子供たちにいつもこうして読み聞かせていたからです。
昨日の約束通りサラと収穫した人参でキャロットーケーキを作り、夕飯までのひと時は侍女たちとサロンに行きました。
手先の器用なシャーロットは、ヘンリーの作った薔薇をモチーフにした刺繍をハンカチに刺すことを教えたのです。
「姫様、ここはどうしたらよいのでしょう?」
「私のはどうですか?」
皆からの質問に丁寧に笑顔で答えた姫との楽しいひと時はあっという間でした。
全員で夕飯を囲み、姫の作ったケーキを笑顔で食べ終えた頃。
シャーロットは立ち上がりました。
「皆さんにお伝えしなければいけないことがあるの」
皆の顔を見回したエメラルドグリーンの瞳から大粒の涙が零れました。
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