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「こんなにたくさんは食べられません、皆さんご一緒にいかがですか?」
姫様の言葉にその場にいた全員が凍り付きました。
その顔を見て偽ソフィア姫は気付きました。
(ソフィア姫はこんなこと言わないんだわ)
◇◇◇
森の中でソフィア姫に命令されたこと。
それはお互いの身分の交換でした。
そんな大それたことはできないと嫌がるシャーロットに。
「だったらあなたがお世話になっている教会を燃やしてしまっても良いのよ?」
と脅迫めいたことを冷たい笑顔で言い放ったのです。
項垂れたシャーロットと服を交換したソフィア姫は城への帰り道を教え。
「今日から四日目の朝、ここで会いましょう。それまでは、あなたがソフィア姫、私はシスターシャーロットよ」
と一方的に約束を取り付けて教会へと向かっていったのでした。
◇◇◇
その日の夕食時、テーブルの上には豪華な料理の数々がたくさん並んでいました。
食べきれない、と声をかけても侍女も執事も皆顔を背け俯くばかりです。
「料理長を呼んでいただけますか?」
呼ばれた料理長は何か不手際があったのでは、不味い料理があったのでは、と目は虚ろになり身体はブルブルと震えていました。
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