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「私が食べなかった料理はどうなりますか?」
「全て捨てております」
(なんて、もったいない。教会であれば町の貧しい人に分け与えているというのに)
シャーロットはこの美味しそうな料理が無駄にならないように考えました。
「このお肉を三切れ、スープをカップに一杯。パンは二切れ頂こうかしら。後はこの前菜のお皿とお水を下さい。他は全部皆さんで召し上がって下さい」
一瞬全員が顔を見合わせました。
「それはご命令でしょうか、ソフィア姫」
唇まで真っ青になった執事が慄きながら尋ねる様子を見て、シャーロットは安心させるように微笑みます。
「そうね、城にいる全員に命令します。直ちにこの長いテーブルにつき、私と一緒に食事をして下さい。遠慮せず分け合い笑顔で食べましょう。料理長、今日から三日間は全員で食べきれるだけの料理を作ってくださいね。そしてあなたも席に着くのです」
(私が姫である内だけは、怯えたりしない生活を皆さんに送って欲しい)
その思いで命令を下した偽ソフィア姫に違和感を感じながらも全員席に着きました。
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