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二日目ソフィア姫になったシャーロットは全員で朝食を食べると昨日約束した通り温室へと行きました。
ヘンリーに教わって薔薇の花を切り、殺風景だった窓辺に飾りました。
午後は畑で収穫したカボチャを使い、美味しいパンプキンケーキを料理長と一緒に作りました。
夕飯の後で全員にそれを振る舞うと皆優しい笑顔になったのです。
「姫様の作ったケーキがとても優しい味がして、とっても幸せな気分になりました」
目頭を抑えた侍女頭を見て、皆もまた頷きながら涙が落ちないように目を擦ります。
「では明日はキャロットケーキにしましょうか。とても美味しそうな人参があったものね、サラ」
畑を任されているサラは自分の名前を姫が覚えていたことに驚きました。
例え今日一緒にカボチャを収穫したとはいえ、その一瞬で自分のことを覚えてくれていたのかと感動をしたのです。
(こんな風に皆笑えるんだわ)
最初の頃の怯えた顔を思い出したシャーロットは、皆のくつろいだような笑顔に嬉しさがこみ上げました。
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