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昔々、西の国にそれはそれは美しいお姫様が住んでいました。
名前はソフィア姫。
眩いばかりの長い金色の髪に、陶器のような白い肌。
唇の色は深紅の薔薇、エメラルド色の大きな瞳。
一度見たら誰もが虜になるほどの美しいお姫様です。
ところがこのソフィア姫は、気が短く残忍な性格の持ち主でした。
そのため周囲の従者たちは、絶えず気の抜けない生活を送らなければいけません。
先日も一人の世話係がたった一滴の水を零しただけで、ソフィア姫の逆鱗に触れて、指を全部切断させられるという処刑が下されたばかり。
その処罰に反対すると、同じように罰せられるので、誰もかばうことはできません。
早くに王様と女王様を亡くしたこのお城では、この冷酷なお姫様の言うことが絶対です。
お城は常に静まり返り、暗い空気が漂っていました。
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