『らくえん』の、ある一日

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『らくえん』の、ある一日

ある世界に、ニワトリ君と大きな水竜くんが住んでいました。 ニワトリ君のお家は丸太を組んだ小屋、水竜くんはそこから少し離れた大きな池の中に住んでいました。 水竜くんはとてもさみしがり屋で寒がり。とっても寒い季節が来ると、たくさんのわらを持ってニワトリ君の家の近くにきて、体にわらをかけて寝ました。 ニワトリ君は可哀想に思いました。 「冬には竜くんが来るのに、あれじゃかわいそうだなぁ…」 そこで、ニワトリ君は自分の家のそばに、自分の家よりも大きい小屋を作ることを思い付きました。 「何で思い付かなかったんだろう!ありがとうニワトリ君!ボク、君が良かったら作らせてもらうよ!」 水竜くんはニワトリ君から話をもらうと、喜んで材料を集め始めました。 「ぼくも手伝うよ!」 二匹は仲良く小屋用の材料を集めていました。 「何してるの??」 近くに住んでいる、おしゃれなウサギちゃんが来ました。 「竜くんの小屋を作るんだ!」 ニワトリ君が言いました。するとウサギちゃんは、 「あら!じゃあ小屋に合うような布を持ってきてあげる!」 と、楽しそうに言って、行ってしまいました。 少しすると、幼い双子のキツネの兄妹が来ました。 「なにちてるの?」 竜くんは言います。 「ボクの小屋を作るんだよ!」 キツネちゃんたち2匹は目をキラキラさせて言いました。 「おてちゅだいちゅゆ!!」 そして4匹で材料を集め、小屋を作り始めました。 今度は幼いヒツジちゃんとタヌキくんが来ました。 「なにしてるの?」 「リンもちゅゆ!」 みんなで小屋を作ることになりました。 「やったあ、もうすぐできるよ!」 水竜くんはよろこびました。 「みんなきたの?おまたせ、竜くん!できたわ!」 ウサギちゃんはお家にみんなを呼びました。 「やったあ!」 ウサギちゃんは1日かけて水竜くんのために布団を作っていたのでした。 「ありがとう!みんなのおかげで寒い日も暖かく過ごせるよ!」 その夜、水竜くんはみんなを呼んで仲良くたくさんの野菜を煮込んでパーティーを開き、終わると、みんなと作った小屋で、ニワトリ君を呼んで仲良く眠ったのでした。
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