掌から伝わる熱は

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空は曇天で地面は真っ白、道路は見えず視界に移るのは白い世界だった。 歩くとギュッと言う感触と共に足跡が残る。振り返ればいくつもの足跡が残っており、ここまでの道筋を記している。 自分の分の他に隣にはもう一つ足跡画存在していた。 現在の季節は冬、天候は雪、連日の積雪により白銀世界を作り出した。 徒歩で学校に通う私にとっては最悪である。 セーラー服の上にコートを羽織りマフラーをして最低限の防寒に務める。 隣には同じように学ランの上にコートを着て首元にはマフラーを巻いた少年がいる。 下校の時間と道順が一緒で帰ることが増えていって仲良くなった。 「寒いねー」 なんて月並みなことを言って会話を始める。趣味がすごく合うわけでも、感性が一緒でもないけれど一緒にいると楽しいから下校する。 「俺、体温低いから余計に辛いかも」 「それは辛いね、私体温高い方だからまだマシかも」 「羨ましいな。冷たい人だね俺は」 そう言って笑いをこぼした彼だけど、冷たい人に体温以外の自虐を感じられて思わず 「冷たくなんてないよ!」 と大きな声を出してしまった。 「そう、かな?照れるな」 マフラーで顔半分を隠しつつもわかるくらいに顔をが赤かった。 きっと今の私も同じぐらい赤いんだろう。 もう勢いのままに声にした。 「じゃ、じゃあさ本当に冷たいか確かめてみようよ」 自分の右手を差し出す。 火が出るくらいに暑くて、寒さなんてどこかに行ってしまった。 彼はおずおずと左手で私の手を掴んで繋いで歩いた。 彼の手は確かに冷たかったけど、熱がたしかに伝わってきて暖かかった。 私の気持ちもこのまま伝わればいいのに
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