1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
うざい、うざい、うざい、うざい―――っ、死ぬほど煩い!!!
私は溜を作ってこの上なく神経を苛つかせていた。
「姉ちゃん、どうした。顔が怖ぇんだけど?」
二つ下の弟が恐る恐る問い掛ける。
心の叫びだったはずが、うっかり口を吐いて出ていたようだ。
「……ごめん。ただ、友達を辞めようか否か真剣に悩んでるだけ」
頭を抱えて、私はコタツの盤上に顎を据え置いた。
「クッソ、むかつくんだわ……その子」
小さく零した私は、少しばかり殺意を纏っていたかもしれない。
「へぇ~、姉ちゃんに『友達』ってレアじゃねぇ?」
弟は目を瞠った。
「あんたね、私を何だと思ってるのよ?人付き合いくらいするでしょ」
高2にもなればそれなりにあって然るべきだ。
「人付き合いのレベルは友達じゃないじゃん?」
少しばかり嬉しそうに弟はコタツに入って来た。
「そう言うあんたは……珍しいね。どっか行かないの?」
弟は私と違ってアクティビティ。
受験生というのに大丈夫なのか?と、思わないでもないが、成績は一定をキープしているから親は何も苦言を呈さない。
学校から帰ってくれば、速攻で友達の家にでも遊びに行くのか、大抵は家にいない。
それが小学生の頃より続く彼の日常。
「行くよ?でもちっと早いから」
弟はTVゲームをし始めた。
それの何が面白いのか私には分からない。
ピコピコガチャガチャひたすら波動拳。
何がそんなに脳を刺激するのかまるで意味不明。
「辞めんなよ」
唐突に弟が呟いた。
「はぁ?」
「友達」
「その心は?」
友達の意味も私にはイミフ。
「大事だから。――多分ね」
そんなことは幼稚園児の頃より教わっている。
「――と思って、理解を示してきたよ」
でも、正直に言えば友達イコール、ストレスだった。
私は今朝のことを思い起こしていた。
最初のコメントを投稿しよう!