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高校を卒業して十数年を経た。
親友の彼女とは特に連絡を取っていない。
私というのは同窓会にも出席していない身なので、彼女に会う機会も無かった。彼女も同窓会に出席していないか、出席していても私がいないことで、やっぱり私らしいと小さく息を吐いている。
「ふっ、何か分かる」
私は数年ぶりに届いた同窓会の葉書を見て、笑みを零していた。
彼女に会ってみたい気もするけれど、偶然を心待ちにしているだけでいい。
そう思える距離感で、ずっとこの先も互いを想い合える空気が確かにあるのだ。
fin.
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