イミフ

8/8
前へ
/8ページ
次へ
 高校を卒業して十数年を経た。  親友の彼女とは特に連絡を取っていない。  私というのは同窓会にも出席していない身なので、彼女に会う機会も無かった。彼女も同窓会に出席していないか、出席していても私がいないことで、やっぱり私らしいと小さく息を吐いている。 「ふっ、何か分かる」  私は数年ぶりに届いた同窓会の葉書を見て、笑みを零していた。  彼女に会ってみたい気もするけれど、偶然を心待ちにしているだけでいい。 そう思える距離感で、ずっとこの先も互いを想い合える空気が確かにあるのだ。 fin.
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加