298人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん……ああン。」
胸から鎖骨、首筋、首筋と激しくキスが落ちてくる。もはや吸い付かれた痛みなのか快感なのか分からない波が、後から後からやってきていた。僕の分身は再び勃ち上がり、時折トモの胸や腹を掠めてそこからも痺れが広がっていた。トモの左手は僕の首の下に充てがわれ、卑猥な右手の指が僕の後ろの窪みの周りを撫で回す。
「カズ……愛してる!」
「うあっ……。」
僕の口から出ようとした声がトモの口の中に吸い込まれていく。同時に後ろの窪みから何かが侵入してくるのを感じた。期待と恐怖が相混ざって僕の両膝はトモの脇腹にピッタリくっついていた。
「ン………んあっ。はっ、はっ、はっ……。」
トモの口が離れて無意識に呼吸を整える。物凄い違和感。でも思っていたような痛みはなく、トモの長い指がグルグルと回り、時折深いところに潜るのを感じた。
「……痛い?」
「い、痛くない。でも、どうにか、どうにかなっちゃうっ!」
「くっ……可愛いっ!」
どこが可愛いかなんて聞く暇はなかった。再び吸いつかれた唇と、口内を舐め回して吸い上げるトモの舌の刺激に耐えるのが精一杯だった。後ろの違和感が大きくなる。指が増えている?さっきより大胆に動いているような気がする。
「んあああああっ!」
思わず顎が上がり声が迸る。今の、今のは何? 経験のない痺れがトモの指先から全身に広がっていった。
「ここ、ここだ。カズの良いところ。……分かるか?」
「ンン……ン。」
キスをされて耳元で囁かれても答える余裕なんてあるはずがない。トモの指が僕の中の一点を刺激し始めて、それを感じるだけで精一杯だった。
「俺も……余裕がない。」
「んあああああ……ん。あああっ。」
耳元でリップ音が響く。トモの激しい息遣いを感じる。いつの間にか後ろには沢山の指が入ってきている……そう感じた。出たり入ったり回されたり押されたり。僕の良いところを掠めるたびに、声が漏れちゃう。でももう、それを止めようとする気持ちすら起きなかった。
「挿れてもいい?」
トモの言葉に浮かんだ映像。バックから責められて感じていたリョウ……。鋭く雄の顔をしたユウ……。そしてあの時、背後にいたトモ……。
「と、トモっ……トモ? う、後ろ、後ろから挿れて?」
僕が言葉を発した途端に、トモの指が僕の中から出ていって、身体がひっくり返されるのが分かった。
「待ってて。」
背中じゅうにキスが落とされ舐められる。また今までとは違う感覚に翻弄された。ビリっと音がする。経験のない俺でも分かる。トモがゴムを被せている……。さっきから刺激され続けた僕の良いところが疼くような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!