オオカミは1人だけ

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「うあっ……。」 「はぁっ、はっ、はっ、はっ……カズ愛してる。」  トモの分身がずるりと出ていき、身体をひっくり返された。僕の髪の毛を後ろに撫で上げて、額から瞼、頬、唇とキスが落ちてくる。僕の頭の中はぼんやりとしていてまともな思考にはなれなかった。意識が遠のく。 「もう離さない、離せない。カズは俺だけのものだ。」  汗で束になった黒い前髪の向こうからトモの熱い眼差しを感じた。そして熱い想い。 『僕もトモが……好き。』  そう感じた言葉を声に出そうとしながら、いつの間にか僕の意識は白い沼の底へと沈んでいった。 「えっ? あ、あれっ? トモ?」  気がつくと僕はダークブラウンの掛け布団にすっぽりと覆われ、そのままトモに抱き上げられるところだった。 「気がついた? 風呂へ行こう。身体を綺麗にする。」 「ぼ、僕歩けます! 歩くから! 降ろして!」  慌てて抗議してもトモの腕は緩むことがなかった。もう一度キスが降りてくる。 「多分歩くのは無理だろう。それにカズの肌はアイツらに見せたくない。」  トモの言葉に顔がカアっと熱くなる。トモの髪はまだ汗で濡れている。僕が意識を飛ばしていた時間はそれ程長くなかったのかもしれない。 「首に腕を回して? そう、それでいい。いくぞ。」  素直に首に腕を回すと、トモが歩き出し部屋のドアを器用に開けた。階段でコケたらどうなるんだろう? そう思うと俄かに怖くなってトモにしがみついたままじっとしているしかなかった。 『こうだろ?』 『あっ、あっ、ああああっ』  どこからか小さく、ユウの声とリョウの喘ぎ声が聞こえてくる。リョウとユウが何をしているのか明らかだ。何だかますます恥ずかしくなって、顔を見られないように布団越しにトモの胸に顔を押し付けた。 「どうした? また欲しくなった?」 「んなっ!?」  耳元で囁かれたトモの言葉に反射的に顔を上げる。トモがニヤッと笑って額にキスをしてきた。 「今日は初めてだから。……また今度な?」  トモの揶揄うような言葉にもう顔を上げることなどできやしない。そんな気がしてまた布団へと顔を埋めた。  布団ごと洗面所に降ろされ、自分ですると抗議しても受け入れられず、お姫様抱っこで浴室に連れて行かれて、文字通り頭の先から爪先までトモに洗い上げられた。 「少しだけ温まってて。」  湯船に入れられて、トモがシャワーの下に立って体を洗うのを見る。初めてしっかりと見るトモの全裸は、僕より数段体格がよく、程よくついた筋肉に覆われていた。そして……。 『アレが僕の中に……。』  明らかに僕より大きい分身が、まだ硬く上を向いている。目を逸らしたくても逸らすことができなかった。さっきの官能的な体験で、僕の分身と挿れられたばかりの後ろが疼くような気がした。 「どうした? ほら、ちょっと俺も入れて?」  前髪をオールバックに撫でつけたトモの顔に釘付けになる。こうやってみると短髪だった小池の面影が色濃く残っている。 「な、な、何でまた……。」  勃たせてるんだよ? という言葉は後ろから湯船に入り込んできたトモに抱きしめられて消えていった。 「勃ってるかって? カズに見られていると思ったらそれは勃つだろ。でも大丈夫。カズの身体が回復するまでは挿れないから。」 「ん……あああん。」  トモの硬い分身が僕の臀部に当たっている。そして、背後からトモの卑猥な手で僕の分身が扱かれ始め、また自分のモノも硬くなっていくのを感じていた。      
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