いつか君に伝えたい

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「これ以上私が首突っ込むのもあれかなと思って詳しくは聞いてないんだけど、一応付き合うことにはなったらしいわ」 「へぇ、そりゃよかった!」 「合コン荒らしがいなくなって、美月もご機嫌よ」  結局包丁では無理と判断して、大人しくピーラーを使うことにした。最初からこっちを使えばよかった。 「そういえば、また美月に合コンのピンチヒッター頼まれたんだけど」 「ダメ」 「頭数合わせだから、1次会にちょっと顔出すだけでいいって」 「絶対ダメ」 「……ですよねー。美月にはちゃんと断っとくから心配しないで」  そうはいっても、頼まれたらなかなか断れない性格なのは、おそらく美月もよく知るところだ。ゴリ押しでもされたらたまらない。 「ホントにホントにダメだからね!?」    念を押すと、奥のほうから「はーい」と気の抜けた声がした。  きれいに皮も剥けたところで、じゃがいもを4等分にする。一花の口にはちょっと大きいかもしれないが、まあいいだろう。あとは材料を油でいためて、水と調味料を入れたら、落し蓋をしてコトコト煮るだけだ。
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