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それから10年、お天道様がギラギラと照らす中、その男は額の汗を拭いながら大地を耕していた。若い妻は乳飲み子を抱え、10にも満たない幼き女の子が2人走り回っていた。
「おい!あんまり遠くに行ったらあかん!」
やせ細った子供であるが元気が有り余る。しかしその服装はあまり見栄えのいいものではない。また年老いた両親は杖をついて足を引きづっていた。
その男は田を耕し、実りの秋に出荷してお金をもらう。しかしそれでは幼き娘3人を食わしていくことは難しく、日雇いで土木工事に出かけた。しかしそれでも両親の医療費を賄うこともままならなかった。
でもこの山奥は鳥がちゅりちゅりと鳴くだけのひっそりとした場所ではなくなっていた。戦後、山奥は開発され色んなイベントが催されていたが、その男たちの生活がよくなることはなかった。
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