0人が本棚に入れています
本棚に追加
ガタンゴトン、ガタンゴトン、
遠くからきた光が僕の顔を照らした。
これは夢なのか?そんな気持ちでその電車に乗った。
ガタンゴトン。ガタンゴトン。
電車は僕の部屋を出発した。どんどんと小さくなっていく僕の家。
僕は今空に浮いているみたいだ。いや、もう少し簡単に説明すると僕が乗っている電車が空へ昇っている
きっと夢だろう。そんなことを考えてまた目を瞑った。
揺れが心地よくてすごく癒される。
ガタンゴトン。ガタンゴトン。
「つぎはぁー、○○。、○○。」
どこだ?聞こえなかったぞ?これはどこへ向かっているのだろうか。
「停車しました。○○。○○」
やっぱり駅名だけは聞こえなかった。
1人の女の子が乗ってきた。体にたくさん傷をつけた女の子だった。
「どうしてそんなに傷があるんだい?」
僕は声をかけてしまっていた。
とくに知りたい訳でもない。ただ気づいたら声をかけてしまっていた。
「おじちゃんしらないの?この電車」
「ああ。気づいたら乗っていたんだよ」
「そっか。いつか分かるといいね」
少女は微笑み僕の隣に座った。
妙にタバコ臭い、少女からこんな匂い普通するのか?親はどういう育て方をしているんだ。少し腹が立った。他人のことなのに何故か妙にむかつく。自分の子を大事にできないなら親失格だ。そんなことをひとりぐるぐる考えていた。
「おじちゃん。私もうすぐ行かないといけない。目的地に着くんだよ」
「そうかい、そうかい。君はどこに行くんだい?」
必死に笑っているような少女に目を向けた。少女は泣きもせず僕の瞳を見つめた。
「いいとこ!」
そういって消えていった。少女の座っていた席には1つ飴玉が置かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!