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ここまで私が10年前経験したことを述べてきましたが、本当にあの震災は、この10年の間にも、様々な影響を及ぼしたと思います。
特に放射線の影響は大きかったと思います。私の住む地域も少なからず影響を受けていて、地元で採れた食糧は、しばらく人々に受け入れられなかった記憶があります。
このように思い返して感じるのです。私がこうして成人できるのは、とても幸福なことなのだと。
あの震災で亡くなり、本当は今年成人を迎えるはずだった人もいるかもしれません。震災とは関係ありませんが、実際に事故で同級生が亡くなり、生きていられることが当たり前ではないことも分かっています。
そんな中、こうして生きていられること。20歳という節目の年を迎えることが出来ること。その有難みを、痛感せざるを得ません。
作品の端々で感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、私、弥生美音はとてつもないネガティブ人間です。すぐに自分の生きている意味を探してしまうような、臆病な人間です。「死にたい」と軽々しく思うことも少なくありません。
けれど、この震災の日を思い返す度、生きなければならないと、誰に言われたわけでもないけれど、そういった一種の使命感を感じるのです。あの日、生きたくても生きられなかった方たちの分も、私は幸せになって生きなければならないのだと。
これも全部、3月11日という日に生まれたからこそなのかもしれませんね。
2021年。10歳の私が想像していた20歳とはかけ離れた生活をしていると思います。世の中は俄然コロナ禍で、成人式も延期になりました。
無論、辛くないと言ったら嘘になります。大学もずっとオンラインで、私の大学生活は一変してしまいました。
けれど、それと共に、自身がいかに幸せなのかも強く感じます。大学に通い続けていられることの有難み。身内が誰も巻き込まれることなく生活出来ていることの有難み。当たり前が当たり前でなくなってしまったという点では、あの日もコロナも同じなのかもしれませんね。
だからこそ、2021年は、20歳の年は、前を向いて歩いて行けるような年にしたいです。自分のことを好きになれるように、少しずつ進んでいこうと思います。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。ただの私の人生の振り返りでしたが、付き合ってくださって感謝します。
まだまだコロナは収まりそうにありませんが、頑張って共に乗り越えましょう!
弥生美音
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