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恥ずかしくて辛かったけれど、同じミスをした彼女が悪い。だから、叱責は仕方ないと思った。
三度目はなかった。
パソコンの端に重要項目のメモを貼りつけて、忘れない工夫をしたのだ。効果があって、ミスはほとんどなくなった。
そんな彼女に、恭貴は一度褒めてきた。
二年目に入ったばかりの頃だった。祝日の関係で、書類の締めが普段よりも二日早く来るので残業になった時だ。
なんとかある程度完成させて印刷していると、声を掛けられた。予想してなかった円佳は、びくりと肩を震わせた。
「幽霊を見るような顔をしているぞ」
恭貴の言葉に円佳は真っ赤になった。上司に対して失礼すぎる態度だ。
「申し訳ございません。急で驚いてしまいまして……」
声が小さくなる彼女に、恭貴は普段とは違って辛辣ではなかった。
「確かに突然だったからな。君が最後だから気になってね」
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