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「そうなんですけど……変えて問題が出たら大変ですから簡単には……」
円佳も一覧表を変える時、何度か見本を印刷している。
自分で見て満足したので、主任に提案して採用されている。
自分が見やすいことが一番だったので少し恥ずかしいけれど、頑張りを認めてもらえるとすごく嬉しい。
「ああ。主任から聞いた。複数の見本から、一番使いやすい表を提案してきたとね。
ミスを減らす工夫もしている。
そういう考えは企画向きだ。
でも、総務でも必要な人材だと思っている。これからも期待してるから頑張ってほしい」
「あ……はい!」
頬を紅潮させながら笑顔で返事をする円佳に、恭貴は唇を綻ばせてきた。
初めて見る彼の笑顔に、自分の心臓が速いリズムを刻み始めたのが、円佳にも分かった。
冷酷で厳しい態度の恭貴が見せた笑顔は、円佳からは、柔らかくて温かく映った……
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