第八章 癒しの時間とペアリング

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 ***  瑛都の驚くような変貌は午前中に本社中へと広がったようで、社員食堂で円佳と志信(しのぶ)は、一緒に食べる柚稀を始めとする同僚たちに質問された。  「別人になったって、ほんと?  崎本(さきもと)部長が仰天したんだって?」  「うん、変わったのは本当。  言葉づかいも態度もすっかり変わってて、あの人は誰?って感じだった。恭貴さんも驚いてたから」  円佳の言葉に志信が付け加えた。  「見た目はそれ以上に変わったね。黒髪になったら二十代だったね……どこのアイドルグループの人って感じ。びっくりだったよ」  営業部の二人が驚いたと分かると、その変貌を見たいと思ったようだ。気持ちは分かる。  感心していた柚稀が総務部の情報を教えてきた。  「反省したのかな……  法務課に聞いたけど、就業規則変えるらしいよ。懲戒三回で解雇って追加するんだって」
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