第八章 癒しの時間とペアリング

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 円佳が巻き込まれた事件から一か月()っていない。法務課の動きは相当早いと思う。  和香が関係したからかもしれない。彼女なら、早急に変えなさい、と言いそうだ。  「それで、三橋主任って二回目でしょ。口頭で注意したって。さすがに次はないから、気をつけるようにって。  でも、個別対応じゃまずいでしょ。だから、法務課と顧問弁護士が社員代表とすり合わせてる」  社員代表-この会社にも当然労働組合がある。  それほど活動しているわけではないけれど、従業員の利害に関することを改定する時は、その人物が会社と折衝(せっしょう)することになっている。  懲戒三回目の解雇は、警告をするという意味でも問題ないような気がした。  「そうなんだ……でも、二回っていう人自体少ないよね」  志信(しのぶ)のつぶやきに、全員が苦笑しながら頷いた。  この場では円佳以外は知らないけれど、総合職から一般職への変更もあるから、二回と半分。さすがに多すぎる。
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