第八章 癒しの時間とペアリング

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 ***  本人が危機感を持ったからか、瑛都の態度は変わらなかった。  何を考えて、真剣に業務へと打ち込んでいるか分からない。  連休が明けて、ひと月ほど()った金曜日に同期会があった。  恭貴は少し心配そうだったけれど、欠席してほしいとは言わなかった。円佳の状態が良くなってきたからだと思う。  今回は、転勤中の人を除いてほぼ全員出席。普段よりも出席率がいい。  男性総合職二人のうちの一人は営業部。もう一人は広報部に入っている。  MVブランド展開を考えると、広告宣伝に力を入れるのは当然で、複数の総合職が働いていても不思議ではない。  その広報部に所属する総合職の男性が、意外な情報をみんなに話してきた。  「三橋主任、すっげー真面目に仕事してるだろ。崎本(さきもと)部長に反感見せないで」  営業部の三人が頷いた。  瑛都は処分の前も後も、営業回りで不在が多い。
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