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主任の妻は有給に関する業務担当の社員なので、出勤管理を行う二人は、夫が誰か知っていた。
「知ってる。奥さん、総務部だから」
妻という女性は、人妻なのにかなりモテている。独身の時はもっと男性の視線を集めていたと思う。
花野とは違うタイプの美人だ。
「ああ、そっか。
高杉主任、三橋主任がどうして変わったか知ってたんだ」
「どうやって?」
同期の問いかけに、彼は微かに尊敬の思いを滲ませながら答えてきた。
「高杉主任ってすごいんだ。社内の情報で、あの人が知らないことないんじゃないかな*」
広報部は情報を扱う部署。その中でも飛び抜けていろいろと知っているようだ。総合職から尊敬されるほどに。本当に一般職でも優秀な人はいるらしい。
*彼の情報収集のすごさは、野心の向こうで https://estar.jp/novels/25784530 の第三章に出てきます。
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