第八章 癒しの時間とペアリング

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 主任の妻は有給に関する業務担当の社員なので、出勤管理を行う二人は、夫が誰か知っていた。  「知ってる。奥さん、総務部だから」  妻という女性は、人妻なのにかなりモテている。独身の時はもっと男性の視線を集めていたと思う。  花野とは違うタイプの美人だ。  「ああ、そっか。  高杉主任、三橋主任がどうして変わったか知ってたんだ」  「どうやって?」  同期の問いかけに、彼は(かす)かに尊敬の思いを(にじ)ませながら答えてきた。  「高杉主任ってすごいんだ。社内の情報で、あの人が知らないことないんじゃないかな*」  広報部は情報を扱う部署。その中でも飛び抜けていろいろと知っているようだ。総合職から尊敬されるほどに。本当に一般職でも優秀な人はいるらしい。 *彼の情報収集のすごさは、野心の向こうで https://estar.jp/novels/25784530 の第三章に出てきます。
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