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志信が苦笑しながら返した。
「どうしようもない考えだけど、問題行動じゃないし放っておくしかないと思うね。
やってることは営業として正しいわけだし。
でも、円佳があの人を意識する日が来る可能性はゼロだと思うけどね」
本人も同じ思いを持った。
円佳が瑛都を男性として意識する可能性は、完全にゼロだろう。
でも、困惑はあるけれど、売り上げが伸びれば恭貴の実績にもなる。それに関しては歓迎できるから、志信の言うとおり、放っておくのがいいと思う。
「うん。ちょっと無理だけど、そこは聞かなかったことにする。
仕事を真剣にするのはいいことだから」
円佳が言うと、横の柚稀がいたずらに笑って、友人の左手薬指を掲げてきた。
「これ見て諦めないって、ある意味すごい。
もしかしたら結構やるかもね」
みんなが笑って、微妙になった空気が緩んだ。
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